高齢者の人数が増加していく日本では、身体の健康を維持しながら元気に老後を過ごすことがとても重要になってきます。自分の身の回りの世話ができない寝たきりになった場合は、本人はもちろんのこと介護する家族にも多大な負担がかかってしまいます。実際、何十年にも及ぶ介護生活に疲れた子供や配偶者が逆に倒れてしまうこともあります。そのためには、人間ドックで自分の体の老化具合を調べておくことは大事です。

最近は、アンチエイジングドックと呼ばれる高齢者の身体の老化進行度合いや老化危険因子を調べることで、事前に寝たきりなどの介護が必要になる可能性を減らす人間ドックが注目されています。この人間ドックでは、通常の人間ドックのように生活習慣病の可能性を調べるほかに、身体の骨密度を調べたり、脳梗塞などの原因になりやすい動脈硬化を防ぐために血管の状態を調べる検査が行われます。また、骨折やケガの原因になりやすい筋肉の衰えを調べるために身体の筋肉や体脂肪の量を調べる検査もあります。寝たきりになりやすい病気としては、後遺症が残りやすい脳梗塞などの脳疾患を調べる「脳ドック」も高齢者の方にはおすすめです。

100歳以上の高齢者で自分の足で歩き、身体介護の必要がない人の特徴としては、骨や血管、ホルモン、筋肉、精神などがバランスよく老化しています。逆に寝たきりなどの重度の介護が必要になってくる高齢者のほとんどは、身体のなかで著しく老化が進んでいます。そのため、アンチエイジングドックで自分の身体のなかで実年齢以上に衰えている部分を治療したり、予防することが老後を健康に過ごすために大切です。