人間ドックのなかには、アンチエイジングドックと呼ばれる老化の進行具合を調べる高齢者向けの人間ドックがあります。この人間ドックの目的は、身体の老化の進行具合などを調べて、著しく老化が進んでいる箇所について治療したり、寝たきりなどの予防をして、元気にシニアライフを過ごせるように心がけることです。アンチエイジングドックの検査内容は、血管年齢検査や骨年齢検査、筋肉・体脂肪量検査などがあります。血管年齢検査は、血管の詰まり具合や硬さなどの動脈硬化の度合いを調べます。

検査方法としては、「脈波伝播速度法」があります。この検査は、脳波が血管に伝わる速さを計測することで血管の状態を調べる方法です。それ以外には、頚動脈エコーMRIを用いる医療機関もあります。骨年齢検査は、骨密度の数値を調べる検査です。

骨密度の数値が低い場合は、ホルモン補充療法や薬を用いた治療を行います。筋肉・体脂肪量検査では、体組成計という検査機器を使い、体重、体脂肪率、BMI、内臓脂肪などを身体全体の筋肉や脂肪のバランスについて調べます。筋肉の量が少なくなると、骨折する可能性が高くなったり、代謝が悪くなって生活習慣病にかかりやすくなるためです。これ以外にも酸化ストレス度・抗酸化力測定やホルモン濃度測定、有害重金属検査などがあります。

通常の人間ドックの検査でもそうですが、アンチエイジングドックの検査内容や項目も実施する医療機関の方針や設備状態によって変わってきます。