人間ドックでは、心臓・肝臓・腎臓・肺臓の機能をメインに調べることが出来ます。メタボリックシンドロームや脳梗塞などの、生活習慣病から生じやすい疾患を早期発見することで、病気によって受ける健康被害のリスクを抑えることが目的です。これに加えて「がん検診も行わなければならないのかどうか」という疑問を投げかける声もあります。人間ドックさえ受けていれば、「大体の病気は見つけてくれる」という期待も含まれているのでしょう。

確かに、人間ドックでは生活習慣病から起こりやすい疾患に対して、普通に生活している上では気付かないリスクを見つけることが出来ます。その中で異常値が見つかれば、がんに結びつく可能性に気づける可能性もあります。しかし、人間ドックで見つかるほどの異常値が出ている場合は、すでにかなり進行してしまっている可能性が高いです。がんは初期のうちは無症状なので、自分が気付かないうちに病気が進行していきます。

身体の一箇所でおとなしくしているがんばかりではなく、症状が進めば身体の他の箇所に転移する危険性もあります。がんは日本では死因の第1位になっており、予防方法も確立していません。それだけに、早期発見して早めに専門の医療機関で治療を行うことが何よりも完治に結びつきます。日本のがん検診機関では、受診率60%を目標にがん検診を行うことを掲げています。

こうすることで、有病率や死亡数の減少を減らしていくのが狙いです。