人間ドックというのは予防医学という分野の実践活動であり、病気になってから治療しようとする従来の医療に対して、病気になる前にそのリスクを減らしていこうという新た強い考え方に基づいたものであるということが知られるようになってきました。人間ドックはその様な考え方に基づいているため、その時点では必要と判断されない検査を行うことになります。従って健康保険の適用にはならず、高額な検査費が必要になるという問題点はあるものの、その考え方に賛同する多くの人により実践されてきました。かつては病院に一泊しての検査を行う高額な検査費がかかる医療サービスでした。

そんな人間ドックが多くの人にとって身近になってきたのは比較的最近の話であり、日帰り人間ドック、半日人間ドックと呼ばれる言葉が生まれ始めたのは通常の医療と並行してドックを実施するのではなく、ドック専門の医療機関が設立されるようになってからであると言えます。ドック専門の医療機関が多く設立された背景にはその様なサービスを希望する人の数が増えてきているということもありますし、その有効性を認めた健康保険組合が補助金を支給するようになったため、ドックの受診者数は増加傾向にあります。まだまだ高価な医療サービスではありますが、病気や病気の兆候を早いうちに把握して早めに対処することは将来的に発生する可能性がある大きな問題を未然に防ぐことにつながります。その様な価値を再確認しているのが現代の姿であると言えるでしょう。