人間ドックで行われる検査によって発見されるがんとしては、男女共に胃がんが最も多いものとなっています。女性の場合には、近年の特徴として乳がんが発見されることが多くなってきています。人間ドックによって発見されるがんの約8割は、早期がんだと言われています。人間ドックでは、早期がんの発見を行うために有用な画像検査を受けることができます。

PET検査は陽電子放射断層撮影というもので、陽電子の放出を行う放射性医薬品を静脈に注射することによって、陽電子から出る放射線をカメラを使って画像化する検査となります。がん細胞は正常な細胞と比較した場合に、ブドウ糖の消費量が多くなる特徴がありますので、PET検査で使用される薬剤を多く取りこむことによって、がん細胞があるところから放射線が多く放出されることになり、その画像を映し出すことでがんの所在を明らかにすることができます。CT検査はコンピューター断層撮影を呼ばれるもので、身体を輪切りにするようにX線によって撮影することが可能で、コンピューター処理によって画像化を行います。マルチスライスCTでは、通常のCTよりも短い間隔で高速で連続的に撮影することができます。

マルチスライスCTの場合であれば、従来までのCTでは見逃されてきたような小さな血管の異常や病巣についても発見することが可能です。マンモグラフィ検査は乳房X線撮影というもので、乳房を挟んでX線撮影を行う検査です。小さながんや石灰化している状態を確認することが可能で、しこりになる前段階の初期の乳がんの発見に役立ちます。